思い当たらない落とし穴の話(2)(ケース1です。)
そのケースでの生徒さんは女性でした。
建設会社で設計のアシスタントをなさっているという事でした。
まずは、見本のトレースをしていただくと・・。
とんでもなく図面が上手できれいです。
すごく、きちんとした仕上がりでした。
建築系の学校を卒業されていて、
そこでも図面が上手と言われていたそうです。
エスキース(プランニング)をしていただくと。
これも、大丈夫です。
他のかたに引けを取るものでは、全くありません。
すごくデキる印象しかありません。
「え?これで、合格できなかったのか?」
と、言いたくなりました。
これで、思い当たる失敗が無いとなったら、原因は何?
と。思う中!
いくつか課題をやっていただいて発見しました。
必要の有る記入事項に漏れが多いです。
普段CADで製図をしているとのこと。
必要事項はほとんどが自動で図面に反映されるプログラム設定で、
日頃、記入事項に関する意識をあまりしてこなかったそうです。
しかも、普段、意匠設計をアシスタントしているので、
アプローチプランをスピーディーに作ることが求められているとのこと。
そこをチェックしていくと、減点の可能性になる要素がたくさん出てきました。
ひとつの原点は小さくても重なれば十分大きな落とし穴になります。
「そんな事まで記入の必要無いと思う」
「大事なことは、そういう事じゃないと思う」
と、ご自身の中の製図観とのギャップが埋まりません。
そこ、すごくわかります。
私も最初は「こんなの平面図に書くことじゃない」とか感じましたし。
実務では設計図書は重複記載を避けるために
記入事項は慎重であるべきです。
記入をしないようにという指示を受ける場合もあります。
でも、この試験は「出題の記載条件を満たす」ことが必要になります。
そこをご理解いただけば、もう大丈夫。