2級建築士の製図試験の推移のお話の その(2)です。
まずは、概要として「対応力」が必要になっているという部分。
本試験の課題に、これを感じることが多くなりました。
毎年、ひとひねり、対応を求められる要素が出題されています。
一番、近々でわかりやすいものが
平成29年度設計課題
「家族のライフステージの変化に対応できる三世代住宅(木造2階建て)」
での、屋内階段の出題項目。
「階段は蹴上げの寸法を180mm以下、踏み面の寸法を22.5mm以上確保する」
と出題されました。
じつは、それこそ20年以上前であれば、どこの受験講座も
「階段は1種類、形を決めていつもそれを使えば大丈夫」
などと、平気で指導していて大丈夫だったのでした。
「二級なんて簡単さ」という先輩方の時代には、階段の指示など無かったはず。
そこまでにもワンパターンで大丈夫とはいかなそうな状況がたくさん出てきてはいましたが、この年度ほどはっきり階段の作り方を指示されたのには驚きました。
考えれば、当たり前のことです。
状況に応じて、最善の階段を用意する事は重要です。
冷静に考えれば、製図用紙の一コマが455㎜なので、そこを2つに分ければ踏み面は大丈夫。
蹴上げも階高を180で割って段数を確保すれば問題ありません。
ただし、いつもと同じ形の階段では段数が確保できない場合があります。
ワンパターンでは切り抜けられない出題になった。
そこが「対応力」を求められた、と感じるところです。
「対応力」が求められるように変わったというのは、
そういう要素が、この話ひとつでは無くて、
たくさん、含まれて来ているという事です。
次は、要求図書の変化のことも書いてみます。