2級建築士の製図試験の推移のお話の(3)です。
要求図面のこと。
まずは、要求図面全体のことです。
私が建築士試験の受験業界に関わり始めた時。
要求図書は
木造の場合「1階平面図、2階平面図、立面図、面積表、矩計図」でした。
まれに立面図に替えて、「断面図」「伏せ図」が出ることがある
「ある」という程度に言われていました。
ここで特筆すべきは「矩計図」です。
とっても面倒くさくって、でも絶対出るものでした。
修行僧の修行(?)みたいな存在。
ついでに言うと、「狭い範囲での対応パターンを書ければ良い。」
もしくは「覚えて行ったものを書けば良い」というニュアンスの存在でした。
現在の「対応力」を求められるものとは、全く反対の存在でした。
それが、ある年、平屋の矩計図が求められたことがあり、
「いつも同じ」ではない状況を経て・・。
現在は矩計図のうちのどの位置が出るかはわからない
「部分詳細図」に変わっています。
「書くことだけは負担で対応力をそれほど必要としない」
矩計図は、姿を消しました。
現在、木造の要求図面は
「1階平面図、2階平面図、伏せ図、立面図、断面図、部分詳細図、面積表、仕上げ表、計画の要点」
20年前と比較して、ごっそりと増えているのです。
付け焼刃では、準備が厳しいという理由がここにもありますし、
充分な知識がない場合は、簡単ではない試験になった という事でもあります。
試験そのものが、
うっかりすると「建築士を目指したいビギナー」も取得可能な試験から
「対応力のある経験を有した専門技術者」のみを選別しようとする試験になった
と、言えるかもしれません。
だからこそ、必要な準備というのにも、それなりの時間が必要になったとも言えます。